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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻9号

2000年08月発行

文献概要

臨床経験

小児に発症した骨関節結核

著者: 小林大介1 薩摩真一1 熊谷宏1 鷲見正敏2

所属機関: 1兵庫県立こども病院整形外科 2国立神戸病院整形外科

ページ範囲:P.1005 - P.1010

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 抄録:小児に発症した骨関節結核の5例を経験した.初診時年齢は1歳5カ月~3歳3カ月であり,男児3例,女児2例であった.結核の確定診断には全例に病巣掻爬を行い,病理組織学的あるいは細菌学的に結核病変であることを確認した.発症部位は長管骨3例,距骨1例,肋骨,脊椎の2カ所が1例であった.長管骨発症例では,全例において病変は骨幹端に存在し,成長軟骨帯を貫通して骨端にまで炎症が波及していた.ツベルクリン反応は3例が強陽性であった.血液検査所見では3例に軽度の炎症反応が認められた.胸部単純X線像で異常が認められた症例はなかった.結核菌培養は全例陰性であった.PCRは3例に施行し3例とも陽性であった.いずれの症例も発症から確定診断まで時間を要しており,慢性の骨関節疾患に対しては常に結核性疾患を念頭に置く必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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