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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻9号

2000年08月発行

文献概要

臨床経験

末節骨腱停止部の裂離骨折を伴った深指屈筋腱皮下断裂の2症例

著者: 杉木正1 佐藤和毅1 山中芳1 中澤秀夫1 山下裕1 西本政司1 池田崇1 関敦仁2

所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2社会保険埼玉病院整形外科

ページ範囲:P.1011 - P.1015

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 抄録:稀な外傷である末節骨腱停止部の裂離骨折を伴った深指屈筋腱皮下断裂(Leddy分類Type Ⅲ)の2症例を経験したので報告する.2症例ともにDIP関節面を含んだ大きな裂離骨片を伴い,A4 pulleyに引っかかり停止していた.治療は引抜き鋼線法により腱実質を骨片とともに末節骨基部に固定するのが一般的であるが,骨片の大きさ,形状によって治療法が選択される.われわれは1例に3-0ナイロン糸を用いた引抜き縫合法を,他の1例にflexion blockを応用した鋼線刺入法により退縮した腱とともに転位した骨片を整復固定した.前者は骨片の固定力に不安があるものの,骨片が小さく脆弱でも腱実質を縫着でき,鋼線の抜去も不要であるという利点がある.後者は引抜き鋼線法に比べ骨折部に強固な圧着力を加えることが可能であり,手術手技も比較的容易である.DIP関節面に及ぶ比較的大きな裂離骨片が存在する場合に有用であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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