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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻9号

2000年08月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨顆上部に生じた疲労骨折の2例

著者: 柳下信一1 北野喜行1 堀本孝士1 砂山千明1 長浦恭行1 井村弥寿子1

所属機関: 1市立砺波総合病院整形外科

ページ範囲:P.1059 - P.1063

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 抄録:大腿骨の疲労骨折は比較的稀とされるが,大腿骨顆上部に生じた疲労骨折の2例を経験した.症例1は15歳男子.駅伝大会のため1カ月間毎日5kmのランニングを行っていた.大会当日の競技中,右膝に激痛を認め歩行不可となった.単純X線像で右大腿骨顆上部に転位を伴う骨折を認めた.同部に生じた疲労骨折と診断し,骨接合術を施行した.症例2は8歳男児で,運動会の練習で短距離走を毎日行っていた.運動会の1週間前から徐々に左大腿部痛が出現し,運動会当日は走行不可となった.単純X線像で左大腿骨遠位に骨膜反応像を認め,骨シンチグラフィーで同部に異常集積を認めた.同部の疲労骨折と診断し,運動の中止にて2カ月後に疼痛は消失した.疲労骨折は治療上,原因スポーツの中止と2カ月程度の免荷を行って未然に骨折の転位を防ぐことが重要である.そのために患者本人だけではなく,運動指導者へのこうしたスポーツ障害の知識の普及が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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