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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻1号

2001年01月発行

文献概要

論述

腰椎変性すべり症における腰椎矢状面バランスと後側方固定術の成績

著者: 川上守1 玉置哲也1 安藤宗治1 山田宏1 吉田宗人2 岩﨑博3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2和歌山県立医科大学リハビリテーション科 3野上厚生病院整形外科

ページ範囲:P.21 - P.26

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 抄録:椎間不安定性を有する腰椎変性すべり症に対し後方除圧術と後側方固定術を行った47例の手術成績(平均経過観察期間3.3年)を調査し,L1 plumb lineであるL1軸仙椎間距離(LASD)を指標にした腰椎矢状面バランスとの関係を検討した.LASD 35mm以上の症例の改善率は平均44.9%で,35mm未満の症例の62.4%より低い傾向にあった.調査時の固定椎間の前弯角は改善率と正の相関を示した.LASD 35mm以上でin situ fusionの症例の改善率は28.4%と不良で,残存腰痛も高度であった.LASD 35mm以上でも椎間すべりの整復が得られていた症例では改善率が63.7%で,固定椎間の前弯位も獲得され,LASD 35mm未満の症例と差はなかった.したがって,腰椎変性すべり症に対して後側方固定術を選択する場合には,LASD 35mm以上の症例では積極的な内固定併用による椎間すべりの整復が成績向上に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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