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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻1号

2001年01月発行

文献概要

最新基礎科学/知っておきたい

イオンチャネル―電位依存性Na,Kチャネルを中心に

著者: 池田和夫1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.58 - P.61

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 イオンチャネルは細胞膜に存在し,特定のイオンを選択的に通過させる機能蛋白質である.その概念は1950年代にイカ巨大軸索神経線維での活動電位成立のメカニズムとして初めて提唱された2).その後,膜電位に依存的な開閉のメカニズムや通過するイオンの選択的透過性に関する電気生理学的研究が進められてきた.1980年代に入り,分子生物学的手法が導入され,電気ウナギ電気器官の電位依存性ナトリウム(Na)チャネルのcDNAがクローニングされた5).これを端緒にカルシウム,カリウム(K)を含む多数のイオンチャネルの分子的実体が明らかにされてきた.
 これらの研究成果は生理的な膜興奮のメカニズムを分子レベルで説明することを可能にしたのみならず,多くの疾患の病態生理の理解にも寄与しつつある.例えば,神経損傷に伴う疼痛,神経伝導障害などもこれらのイオンチャネルの遺伝子発現と密接に関係しており,今後整形外科領域においても重要性を増してくることが予想される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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