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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻1号

2001年01月発行

文献概要

臨床経験

上腕骨滑車単独骨折の1例

著者: 北原肇1 根本昌幸1 深作進1 鈴木和彦1

所属機関: 1北習志野花輪病院整形外科

ページ範囲:P.85 - P.87

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 抄録:上腕骨滑車単独骨折の1例を経験し,ポリ乳酸ピンを用いて観血的治療を行い良好な結果を得たので報告する.症例は14歳の女子中学生で,主訴は左肘関節痛.自転車走行中,左肘屈曲位で肘頭より転倒し受傷した.単純X線像,断層撮影,CT検査にて上腕骨滑車単独骨折と診断できたため観血的治療を行った.内側より進入すると,上腕骨滑車部はほぼ中央部で骨折しており,尺骨鉤状突起に乗る形で近位前方へ転位していた.骨片を整復後,ポリ乳酸ピン2本にて関節面より固定を行った.術後6カ月の現在,可動域制限は軽度で,単純X線像上骨癒合は良好、無腐性壊死の所見も見られていない.上腕骨顆部骨折のうち,上腕骨滑車単独骨折は非常に稀である.単純X線正面・側面像だけでは診断は困難で,関節造影やCTが必要であるとされているが,術前術後の骨折部の確認には単純X線上腕骨内旋位斜位像が有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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