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臨床経験
早期運動療法により治療したKienböck病による指伸筋腱断裂の1例
著者: 谷野善彦1 吉田祐文1 松村崇史1 栩木弘和1 宮坂敏幸1 前野晋一1
所属機関: 1大田原赤十字病院整形外科
ページ範囲:P.105 - P.108
文献購入ページに移動患者は中環指の伸展障害を主訴に来院し,X線像よりLichtman分類Stage 4のKienböck病の診断のもと,これに続発した中環指伸筋腱皮下断裂に対し腱移行,腱移植術を施行した.2週間の指MP関節伸展位の固定後,示指へのoverlap tapingにて自動運動を開始した.術後9カ月の現在,約10°の伸展制限が残存するものの日常生活動作には支障はない.石黒が推奨している,患指を隣接指にoverlap tapingすることにより腱の減張位を保持したまま行う減張位早期運動療法は,縫合部に不必要な緊張がかからず,関節拘縮を引き起こしやすい高齢者にも特に有効な後療法と考えられた,
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