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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻10号

2001年10月発行

文献概要

論述

嚥下障害を来したdiffuse idiopathic skeletal hyperostosisに対する手術治療

著者: 杉山誠一12 清水克時1 宮本敬1 坂口康道1 細江英夫1 鈴木康3

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科 2現:羽島市民病院整形外科 3岐阜県立岐阜病院整形外科

ページ範囲:P.1149 - P.1154

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 抄録:頚椎の前縦靱帯骨化が原因で嚥下障害を来したdiffuse idiopathic skeletal hyperostosis 14例を対象として,治療について検討した.流動食,消炎鎮痛剤の内服による保存治療は10例に有効であったが,経過観察中にうち4例は症状が再燃し増悪した.この4例と保存治療が当初より無効であった4例を合わせた計8例において,頚椎前方に増殖した前縦靱帯骨化を切除する手術を行った.以下手術を実施した8例について述べる.性別は男性7例,女性1例,手術時年齢は55~78歳(平均65歳)であった.食道造影では8例全例において,くちばし状を呈した高さ14~22mm(平均18mm)の骨化巣突出部が咽頭や食道を圧迫していた.3例で造影剤の誤嚥が観察された.8例中6例では手術後3週間以内に嚥下障害がほぼ消失した.一方,2例では嚥下障害が軽快するのに数カ月を要し,手術後1年でも症状が軽度残存していた.重症例では術後管理として,誤嚥を予防することが必要であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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