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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻10号

2001年10月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

指列誘導障害

著者: 堀井恵美子1

所属機関: 1名古屋大学医学部手の外科

ページ範囲:P.1156 - P.1157

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 手の先天異常にはいろいろな分類方法があるが,臨床的には,Swansonによって提唱され,International Federation of Societies for Surgery of the Handに採用された分類が最もよく用いられてきた(表1).この分類は,胎生期の異常に根拠をおいて,四肢の先天異常を分類することが強調され,failure of formation,failure of differentiationなどの表現が用いられた.これに基づいて臨床例を分類すると,同一個体内にこれらの所見が複合して存在する同一家系内に,異なった先天異常が散見するなどの矛盾が生じた.これに対して,1980年代に,X線像,術中所見,hand pattern,血管造影などを含めた臨床像の解析が進められた.さらに動物実験,肢芽発生のメカニズムが明らかになり,Swanson分類に対する見直しが行われた.最も問題となったのが裂手症の分類で,これを間葉組織の壊死により発症するfailure of formationに分類することが妥当であるかどうかの問題であった.
 例えば,症例1(図1)では,右手は分類Ⅰ-B中央列欠損(*)に分類されるが,左手は分類Ⅱ-D(皮膚性)合指症(**)に分類される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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