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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻10号

2001年10月発行

文献概要

症例報告

運動時に腓骨神経麻痺の増悪を呈した近位𦙾腓関節症の1例

著者: 山本晃裕12 西川哲夫1 松井允三1 黒坂昌弘1 水野耕作1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科 2現:聖マリア病院整形外科

ページ範囲:P.1205 - P.1208

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 抄録:われわれは近位𦙾腓関節症による骨棘形成により骨癒合症を生じ,その結果として運動時に腓骨神経刺激症状を呈した稀な1例を経験した.症例は45歳男性で,運動時の左膝外側から足背への疼痛としびれを主訴とした.左近位𦙾腓関節に圧痛を認めるも不安定性はなく,足関節背屈,母趾背屈の筋力低下,および足関節の軽度の可動域制眼を認め,画像所見では近位𦙾腓関節直下に母指頭大の骨増殖性変化(骨棘)を認めた.この症例に対して腓骨神経剥離術および骨棘切除術を施行した.骨棘の外側に腓骨神経が位置しており,骨棘により軟部組織を介して腓骨神経の伸長が生じ,それに長距離歩行等の反復性の刺激が加わることにより,神経刺激症状を呈したと推測された.術後は運動時の腓骨神経の刺激症状は消失した,近位𦙾腓関節症で関節の不安定性を認めないにもかかわらず腓骨神経麻痺症状を来した報告はわれわれの渉猟し得た範囲ではなく,今後再発の有無など注意深く経過観察していく必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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