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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻11号

2001年11月発行

文献概要

シンポジウム 頚肩腕症候群と肩こり―疾患概念とその病態

頚肩腕症候群と肩こり―職場での実態調査

著者: 多田浩一1 吉田竹志1 村瀬剛1

所属機関: 1関西労災病院整形外科

ページ範囲:P.1247 - P.1255

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 要旨:従業員1万人以上の2製造業社(5事業所)において1,518名に対し,頚肩手における痛み・しびれおよび肩こりの発生についてアンケート調査を実施した.職種を大きく事務職,技術職および技能職(現業部門)の3つに大別し,仕事内容と頚肩腕痛および肩こりの相関について調べた.男性1,338名,女性102名より回答が得られ,圧倒的に男性優位の職場といえる.頚肩腕痛については男女別,職種別に有意差を認めなかった.事務職においては繰り返し作業の有無のみに有意差を認めた.現業部門においては明らかに上肢使用の頻度に相関を認め,上肢の繰り返し作業,重量物を持つ作業,肩より高い所の作業,ハンマーの使用作業に有意に頚肩腕痛を認めた.作業量でみるとハンマー使用が3時間を越えると63.9%と高率に頚肩腕痛を認めた.肩こりについては事務職>技術職>現業部門の順に発生しており,職種間に有意差を認めた.女性の事務職に80.2%と多発し,30歳の女性に好発する.繰り返し作業に多く発症し,コンピュータ使用が1日3時間を越えると有意に肩こりが多発する.現業部門においては繰り返し動作において肩こりは多く発生するが,機械の操作,ハンマー使用,肩の高さの作業などの上肢に負荷をかける仕事では有意差がみられなかった.以上より頚肩腕症候群と肩こりには病像の違いがみられ,これらの症状発生に関して考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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