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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻11号

2001年11月発行

文献概要

論述

手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後

著者: 谷口泰徳1 玉置哲也1 阿部唯一1 本田高幹1 吉田宗人2

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2和歌山県立医科大学リハビリテーション科

ページ範囲:P.1271 - P.1275

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 抄録:今回,われわれは手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後について調査し,Kienböck病と手根不安定症の関係について検討した.症例は16例で,男11例,女5例,罹患側は,右手12例,左手4例であった.Kienböck病の発症時年齢は18~65歳(平均32.3歳),今回の調査時年齢は46~84歳(平均62.4歳)であった.Kienböck病発症後の罹病期間は14年間から最長49年間,平均30.1年間であった.発症後24年以上経過した8例では掌屈回旋した舟状骨に対して、その橈骨関節面がリモデリングされ,橈骨舟状骨間の関節裂隙が温存されていた.手根不安定症による,scapholunate advanced collapse (SLAC) wristの発生は全くみられず,Kienböck病はSLAC wristの原因ではないと断定された.全症例の臨床症状は軽微であり,職業上,ADL上問題を認めなかった.手根不安定症を伴ったKienböck病の長期予後は良好であるため,本疾患に手根不安定症の概念に基づいた治療法は無用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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