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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻12号

2001年12月発行

文献概要

シンポジウム 手根部骨壊死疾患の病態と治療

Kienböck病の治療―revascularization procedure

著者: 矢島弘嗣1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1359 - P.1365

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 要旨:Kienböck病に対して種々の治療法が行われてきた.その1つに壊死に陥った月状骨の再血行を目的とした手術方法がある.血管束移植術は移植された血管束から周囲に向かって血管が新生し、壊死骨の吸収,さらに骨新生が生じ,月状骨のrevascularizationを図ろうとする方法である.この手術は月状骨の圧壊が少ない早期の症例に適応があり,できれば何らかのmechanical supportを期待できる手術と併用するのが望ましい.一方,血管柄付き骨移植術については種々の採取部位,血管柄についての報告がある.最も一般的な方法は橈骨遠位端から骨を採取する方法で,その血管柄としては,1・2区画間動脈,5+4区画動脈,掌側動脈弓が用いられている.血管束移植術に比べ、月状骨のrevascularizationに要する期間は少なくて済み,移植骨自体が圧壊の防止効果もあるため,今後は本手術方法が広く行われるようになると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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