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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻12号

2001年12月発行

文献概要

専門分野/この1年の進歩

日本脊椎脊髄病学会―この1年の進歩

著者: 山本博司12

所属機関: 1高知医科大学整形外科 2第30回日本脊椎脊髄病学会

ページ範囲:P.1412 - P.1414

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■脊椎脊髄由来の痛み(主題)
 学会の主題として取り上げ,多くの新知見が発表された.椎間関節の侵害受容器は,腰仙椎部の他の受容器に比べ,有害刺激に対して感受性が高い(山下敏彦).椎間板ヘルニアなど神経根障害に起因する神経因性疼痛の発現には,髄核中に存在する炎症性サイトカイン(TNFα)が関与するが,これは腰髄後角ニューロンの過興奮を誘発する(恩田 啓).さらに,brain-derived neurotrophic factor(BDNF)が関与し,この発現調節にnerve growth factor(NGF)がかかわっていることが示された(小畑浩一).これらの電気生理学的,分子生物学的基礎的研究は,本態的な痛みの制御に道を開くものと思われる.
 椎間板ヘルニアにおける神経根の血流を非接触型レーザー血流計で測定したところ,神経根のレーザー血流測定が症状改善のよい客観的な指標になることを示唆した(檜田伸一).腰椎変性疾患では髄液内のNO量が増加しており,症状の改善とともに,NO量も減少することが示された(木村慎二).神経原性疹痛患者の視床の活動性が,脳イメージング(SPECT)で客観的に評価され,急性期では痛みと反対側の活動が増加し,慢性期になるとそれが低下することがわかった(牛田享宏).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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