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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻12号

2001年12月発行

文献概要

症例報告

立位時骨盤後傾を伴う人工股関節複数回脱臼例の検討

著者: 加藤充孝12 濱上洋1 高橋健志郎1 永原亮一1 岩瀬丈明1

所属機関: 1長浜赤十字病院整形外科 2現:岐阜市民病院整形外科

ページ範囲:P.1451 - P.1454

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 抄録:円背に伴う骨盤後傾が関与した人工股関節の複数回脱臼例につき検討したので報告する.症例は68歳女性.左変形性股関節症に対し人工股関節置換術を施行したが,以後約3年間で歩行時や段差を降りる際などの軽微な誘因で人工関節の脱臼を6回生じた.術後股関節X線像上ソケット傾斜角は42°,前方開角0゜であった.脱臼の整復にあたり筋緊張は良好であった.著しい円背を認め立位姿勢に違和感を認めたため,立位股関節X線像を撮影したところソケット傾斜角55°,前方開角約26°と著しい増大を認めた.側面仙骨軸で骨盤の傾きを評価すると臥位に比べ立位では32°後傾していた.すなわち立位時既に股関節は30°程過伸展している状態であり,段差を降りる際や,歩行時患肢離踵時にはさらに過伸展することになり脱臼を誘発すると思われた.脊椎後弯変形を認める際はソケット設置位置の術前計画,術後の評価は立位股関節像で行う必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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