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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻2号

2001年02月発行

文献概要

臨床経験

脊椎カリエスに対するinstrumentation手術後に炎症が慢性化した1例

著者: 高田秀夫1 北野喜行1 堀本孝士1 野口学1 大崎能樹1 羽藤泰三1

所属機関: 1市立砺波総合病院整形外科

ページ範囲:P.225 - P.228

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 抄録:症例は58歳女性.腰背部痛出現し,前医にて脊椎カリエスと診断され前方固定術十後方instrumentationを施行された.その後,腸骨採骨部より膿瘍が出現し当院を紹介された.数回にわたる洗浄・掻爬では治癒せず,instrumentの抜去によって炎症の鎮静化が得られた.病巣が拡大しinstrumentに菌が付着したためbiofiimを形成したと思われる.この膜は,抗生物質などを透過させ難くし,また細菌表面を覆って細胞膜の抗原性を弱め,生体防御機能の働きを鈍くするため,炎症が慢性化したものと思われる.結核菌は他の一般細菌に比べてbiofilmの形成が少ないということで,最近脊椎カリエスに対してinstrumentationを使用し良好な結果を得ている報告が多いが,炎症が慢性化する場合には早期にinstrumentの抜去が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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