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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻2号

2001年02月発行

文献概要

臨床経験

腰痛を主訴に受診した炎症性腹部大動脈瘤の1例

著者: 佐藤正樹1 大熊雄祐1 柴田圭一1 増田彰男1

所属機関: 1三井記念病院整形外科

ページ範囲:P.233 - P.235

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 抄録:炎症性腹部大動脈瘤が腰痛の原因であった症例を経験したので報告する.患者は52歳,男性.1997(平成9)年11月25日,誘因なく高熱を伴い,腰痛が出現した.近医より坐薬を処方されたが,腰痛と微熱が持続した.同年12月8日,当科を受診した.理学所見,腰椎X線では異常はなかった.血液検査上,WBC 11,300,CRP 10.8,ESR 123/hと炎症反応を認めた.同年12月16日,精査目的に入院した.腰椎MRIで腹部大動脈瘤を認めたので,腹部造影CTを施行し炎症性腹部大動脈瘤と確定診断した.腹部触診にて,拍動性の腫瘤を認めた.同年12月22日,人工血管置換術を施行した.瘤の内膜は欠損しており切迫破裂を起こしていたものと思われた.手術直後より腰痛は消失した.炎症性腹部大動脈瘤は激しい腰腹痛と発熱を伴うことが特徴である.緊急性を要する場合も多いだけに,腰椎の理学所見に乏しい腰痛患者を診察する場合には,本症を鑑別診断に入れておくことが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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