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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻3号

2001年03月発行

文献概要

臨床経験

母指MP関節亜脱臼の1例

著者: 谷野善彦1 堀内行雄1 菊地淑人1 小原由紀彦1 仁平高太郎1 西澤隆1 野村栄貴1 木原未知也1

所属機関: 1川崎市立川崎病院整形外科

ページ範囲:P.335 - P.337

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 抄録:外傷や慢性関節リウマチ(RA)などでも母指MP関節のみが掌側への亜脱臼を生じることは稀である.われわれは,原因の明らかでない母指MP関節亜脱臼の1例を経験したので報告する.主訴は右母指MP関節の疼痛であり,関節可動域は,MP関節伸展-20°,屈曲60°と可動域制限が認められ,IP関節も伸展-10°,屈曲40°と制限されていた.X線像でも健側の母指関節に変形を認めないのに対し,患側母指では基節骨が,中手骨に対して掌側亜脱臼位をとり,IP関節にも形態異常と側方への骨棘形成が認められた.保存的治療に抵抗したため,MP関節の観血的整復と関節包の縫縮を施行した.関節内に滑膜の増殖が認められ,中手骨背側の関節軟骨は,ほとんど消失していた.術後6カ月の現在,MP関節伸展-5°,屈曲20°と可動域の減少が認められるものの疼痛は消失し,日常生活動作に不自由はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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