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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻3号

2001年03月発行

文献概要

症例報告

救命しえた頚椎化膿性脊椎炎による降下性壊死性縦隔炎の1例

著者: 西田英司1 鳥畠康充1 毛利良彦1 渡部公正1 鹿野尚英1 沼田仁成2 塗谷栄治3 広田幸次郎3 斎藤裕4

所属機関: 1厚生連高岡病院整形外科 2厚生連高岡病院リハビリテーション科 3厚生連高岡病院救命救急センター 4厚生連高岡病院胸部外科

ページ範囲:P.339 - P.342

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 抄録:頚椎化膿性脊椎炎から進展し,早期の外科的治療で救命しえた降下性壊死性縦隔炎を経験した.症例は71歳,男性.発熱,後頚部痛,左上肢の筋力低下を主訴に入院した.単純X線,MRIにて第6頚椎椎体炎および硬膜外膿瘍と診断し,抗生剤を投与したが,9日目に急に呼吸困難を訴えた.胸部単純X線で縦隔陰影の増強を,CTで頚部から縦隔まで膿瘍を認めたため緊急縦隔ドレナージを行った.その後も炎症症状は持続し膿の排出が続いたため,2週間後に頚椎腐骨掻爬術,6週間後に硬膜外膿瘍除去術を行い救命できた.培養では混合感染の状態であった.
 降下性壊死性縦隔炎は通常,歯性,咽喉頭部感染が原発のことが多いが,本症例は化膿性脊椎炎より発症した初めての報告例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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