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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

脊髄髄内腫瘍の診断と治療

著者: 田中信1 馬場逸志1 住田忠幸1 真鍋英喜1 林雄三2

所属機関: 1広島市立安佐市民病院整形外科 2広島市立安佐市民病院病理部

ページ範囲:P.365 - P.371

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 抄録:1983~2000年3月までに当科で手術を行った脊髄髄内腫瘍45例の診断と治療上の問題点について検討した.Ependymoma,hemangiomaはしびれ感で,astrocytic tumorは運動障害で発症する傾向にあり,astrocytoma,hemangiomaの罹病期間はependymomaに比べて有意に短かった.術前MRIの診断率は37.5%,術中・術後組織診断の一致率は58.1%であり,診断に難渋する症例を多く認めた.ependymoma,血管系腫瘍は全摘出可能で運動機能の悪化例を認めなかったが,astrocytic tumorでは改善例はなく,grade II以上の6例では術後平均14.2カ月で死亡した.髄内腫瘍の治療成績の向上には,髄内操作の熟練とともに放射線科医,病理医との緊密な関係が保たれている環境での診断・治療がより重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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