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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

髄内腫瘍の診断と摘出術における課題

著者: 佐藤哲朗1 田中靖久1 小澤浩司1 相澤俊峰1 国分正一1

所属機関: 1東北大学大学院医学研究科体性外科学

ページ範囲:P.379 - P.385

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 抄録:手術療法を行った髄内腫瘍をretrospectiveに検討し,診断と治療上の問題点と対策を明らかにした.対象は生検あるいは腫瘍摘出術を行った髄内腫瘍の16例である.MR像に基づく術前の組織診断が術後の病理診断と一致したのが56%であった.MR像で辺縁が明瞭かつ整であった腫瘍の73%を全摘しえた.術中と術後の病理診断の合致率は67%であった.Sp(E)-SCEPによる脊髄モニタリングでは術後1年目の神経学的悪化に関してfalse negativeが25%であった.術後1年目における14例の神経学的評価は,改善が5例,不変5例,悪化4例であった.腫瘍の全摘は必ずしも神経学的改善に結びついていなかった.髄内腫瘍の摘出術は麻痺が軽度のうちに行う必要があるが,麻痺の増悪を引き起こさないためには,術前画像診断法の改善,術者の脊髄解剖の熟知とmicrosurgical techniqueの習熟,麻痺の発生を確実に予防できる脊髄モニタリングシステムの確立が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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