icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

椎弓根スクリュー固定による頚椎後弯の矯正

著者: 庄野泰弘1 鐙邦芳1 伊東学1 小谷善久1 三浪明男1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科運動器再建医学分野

ページ範囲:P.411 - P.416

文献購入ページに移動
 抄録:頚椎椎弓根スクリューを用いて矯正固定術を実施した頚椎後弯変形42例につき検討した.椎間可動性があり,柔軟性の高い後弯変形25例に対しては,後方法単独による再建術を行った.後弯変形が強固で椎間可動性が乏しい17例には,前方・後方両進入法による全周性の骨切除と椎弓根スクリューによる矯正固定を実施した,後方矯正固定単独群では,26.4°の後弯が5.8°に改善し,前方・後方矯正固定群では,後弯31.9°が0.4°に矯正され,両群とも良好な後弯変形の矯正が得られた.全例で骨癒合が得られ,implant failureはなく,スクリュー刺入に伴う脊髄,血管損傷等,重篤な合併症はなかった.椎弓根スクリューを使用することで,椎間可動性のある比較的柔軟な後弯変形では,後方矯正固定単独で良好な変形矯正が得られる.高度変形や椎間可動性の乏しい強固な変形に対しては,全周性の解離と前方・後方矯正固定の併用が有効である.また,本法と後方除圧術は同時に実施可能で,後弯変形の矯正は除圧効果を高める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら