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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

頚椎椎間板ヘルニアによる頚髄症軽症例に対する保存療法

著者: 松本守雄1 丸岩博文1 石川雅之1 西澤隆1 千葉一裕1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.429 - P.434

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 抄録:頚椎椎間板ヘルニア(CDH)による頚髄症軽症例24例に対する保存療法の治療成績と予後関連因子の検討を行った.症状が改善し,保存療法に終始したものは15例63%(A群),症状が不変あるいは悪化し,最終的に手術が行われたものが9例37%(B群)であった.A群,B群間で,患者の平均年齢,罹病期間,初診時JOA score,脊柱管前後径,pincer値,MRIにおけるT2高輝度病変の頻度に差はなかった.治療開始3カ月のJOA scoreはB群で有意に低かった.MRI矢状断で広範に脱出したもの(diffuse type),横断位で正中に局在するもの(median type)がA群に多かった.ヘルニア自然縮小はA群の53%に認め,diffuse typeで高頻度であった.以上より,CDHによる頚髄症軽症例(特にmedian type,diffuse type)に対してはまず保存療法を試みてよいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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