icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

頚椎椎間板ヘルニア後方髄核摘出術

著者: 馬場逸志1

所属機関: 1広島市立安佐市民病院整形外科

ページ範囲:P.441 - P.448

文献購入ページに移動
 抄録:歴史的に頚椎椎間板ヘルニアの髄核摘出は後方法が主流であったが,前方法の普及とともに後方法は殆ど行われなくなった.近年,手術用顕微鏡を用いた後方髄核摘出の利点が再認識されてきた.当科で過去10年間に施行した177症例の後方摘出術を紹介する.病型は正中型6例,傍正中型44例,外側型103例,椎間孔内24例である.術後成績では根型の平均改善率は84.1%であった.4例を除き根性の疼痛は術直後に全例著効を認めた.正中,傍正中型では,JOA平均改善率は76.8%であり,一過性のC5麻痺を2例に認めた.術後同レベル,同側に再発例が2例にみられた.近年,本邦でも後方摘出の報告がみられるようになってきたが,多くの利点があるにも拘わらず,手技が困難で普及し難い手技と考えられている.顕微鏡下の手術手技に習熟すれば,後方髄核摘出術は侵襲が少なく頚椎椎間板ヘルニアに対する術式選択に加えて認知されるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら