icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

脊柱短縮に伴う脊髄の形態的・生理的変化に関する検討

著者: 小林忠美1 川原範夫1 赤丸智之1 村田淳1 南部浩史1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.457 - P.463

文献購入ページに移動
 抄録:脊柱短縮が脊髄に与える影響について,成犬を用いて実験を行った.第13胸椎を全摘出し,長軸方向に20mmの脊柱短縮が可能な実験モデルを作成した.短縮に伴い7.2±1.7mmの脊柱短縮までは,硬膜および脊髄は上下の脊柱管に滑走し,硬膜および脊髄は形態的変化を生じなかった.7.2~12.5±1.1mmの脊柱短縮では、硬膜にひだ状の変化が生じたが、脊髄の走行は直線状であった(n=4).12.5mm以上の短縮では,脊髄のkinkingを生じ硬膜管は脊柱管から背側に突出した.5mm,10mm,15mm,20mmの脊柱短縮における脊髄血流量は,各々短縮前の146±10%,160±21%,102±17%,93±7%であり,5mm,10mmの脊柱短縮時の脊髄血流量が有意に増加していた(n=6).脊髄誘発電位において,脊髄がkinkingを生じた時に振幅増大現象や電位の陽性化などの脊髄障害電位が記録された.脊髄のkinkingが生じる時点までの脊柱短縮は,脊髄血流量を増加させ脊髄機能の回復に有効であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら