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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

超伝導量子干渉素子磁束計を用いた非侵襲的脊髄活動磁界の測定

著者: 川端茂徳1 小森博達1 持田潔1 大久保治修1 四宮謙一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脊椎脊髄神経外科学

ページ範囲:P.467 - P.472

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 抄録:磁界は骨や軟部組織などの影響を受けにくい性質があり,磁界による生体内信号の計測は電位に比べ理論的に高い空間精度を持つ.現在,皮膚上からの電位計測では脊髄活動を正確に評価できないとされるが,今回われわれは,皮膚上より脊髄誘発磁界を測定し,その有用性を検討した.麻酔下に成猫の胸髄を電気刺激し,頚部での脊髄誘発磁界および電位を測定した.その後,椎弓切除し硬膜外電位を測定,さらに脊髄を切断し,磁界および電位を測定した.皮膚上から測定された磁界は四重極子パターンを呈し,尾側から頭側に80~120m/sで移動した.これに対し,皮下での脊髄誘発電位の伝導速度は200~300m/sとなり,生理的な値を逸脱した.硬膜外電位の伝導速度は80~120m/sであった.脊髄切断により,脊髄誘発磁界の伝導障害が確認された.磁界測定は硬膜外電位と同等の正確さで非侵襲的に脊髄活動を評価でき,電位測定に比べ優れた点を確認した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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