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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

骨粗鬆症例に対するハイドロキシアパタイト緻密顆粒(HA stick)充填によるpedicle screwの固定性の検討

著者: 松崎浩巳1 徳橋泰明1 若林健1 大川章裕1 萩原秀彦1 岩橋正樹1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科

ページ範囲:P.529 - P.534

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 抄録:各種ハイドロキシアパタイト(HA)顆粒の気孔率,サイズならびにルースニングとスクリュー引抜き強度との関係について検討した.また,緻密顆粒から加工した棒状のHA stickを骨粗鬆のある屍体脊椎を用いて即時固定(引抜き強度)について検討した.さらに,臨床応用についても調査した.
 HA緻密顆粒が多孔体顆粒よりも有意に引き抜き強度が大きかった.また,ルースニングの程度に相関した顆粒サイズを使用すべきであった.骨粗鬆症のある屍体椎弓根の引抜きテストではコントロール値は23.22±2.29kgf,1椎弓根に2本HA stickを用いた群では33.04±2.89kgf,4本用いた群では42.19±3.5kgf(コントロールとp<0.01)とHA stickを増やすことにより引抜き強度は有意に高くなった(各々n=4).
 臨床において,HA stickを目的とするスクリュー孔に容易に確実に充填可能であった.術後X線像ではスクリュー周囲にHA顆粒が層状に描出され,クリアゾーンは25%に見られたが,スクリューの明らかなルースニングは認められなかった.以上より,HA stickは臨床上,安全性,操作性からも骨粗鬆症例のpedicle screwの固定強化に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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