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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

実験的脊柱管狭窄による腰部神経根のNO感受性変化―ラットin vivoモデルの異所性発火を指標とした検討

著者: 小野沢司1 熱田裕司1 武田直樹1 竹光正和1 小林徹也1 松野丈夫1

所属機関: 1旭川医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.535 - P.539

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 抄録:腰部神経根の異所性発火を観察できるラットin vivoモデルを作製し,脊柱管狭窄や一酸化窒素(NO)の神経根への影響を検討した.実験は24例の雄Wistar系ラットを用いた.L3椎弓部分切除後,直径2mm,長さ8mmのシリコンチューブを硬膜外腔背側へ挿入し,1週間飼育した脊柱管狭窄群,L3椎弓部分切除のみを行い1週間飼育したsham手術群,無処置対照群の3群を作製した.腓腹神経からL5神経根由来の異所性発火を導出できることを確認した上で,L5神経根周囲にNO供与体であるSodium nitroprusside(SNP)10mM 0.1mlを投与して異所性発火の変化を観察した.狭窄群では,sham群,対照群に比して自発性の発火が有意に増大していた.さらに,狭窄群では,sham群,対照群に比してSNPによる異所性発火の有意な増加が認められた.この結果は,神経根性疼痛の機械的圧迫,化学的因子の両者の複合的関与の病態を説明する一助になると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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