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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)

胸椎後縦靱帯骨化症に対する段階的後方進入脊髄除圧法

著者: 都築暢之1 平林茂1 斎木都夫1 阿部良二2

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター整形外科 2関越病院整形外科

ページ範囲:P.559 - P.568

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 抄録:胸椎後縦靱帯骨化症除圧における脊髄除圧の安全性と確実性を高めるために,胸髄後方移動阻害因子を後方進入により段階的に除去し,脊髄除圧を行う方法を試みた.初めに,広範囲後方除圧による頚~胸髄の後方移動を行い、脊髄と後縦靱帯骨化巣間の遊離が不充分な部位に対しては、さらに後方から前方除圧操作を加えた.先行する胸髄後方移動阻害因子除去は次の脊髄除圧操作を容易にすると同時に,除圧操作に対する脊髄安全度を高めると考えられた.胸椎後弯頂点部の後縦靱帯骨化巣も後方から安全に切除することが可能であった.広範囲除圧法として棘突起靱帯complex・黄色靱帯を温存するtension-band laminoplastyを行い,術後の脊柱安定性を保持し,拡大~非拡大移行部椎弓間で滑らかな脊柱管背壁を形成することができた.本法を行った17例全例が改善し,その改善度は前方除圧改善度に匹敵した.神経症状改善度は,術後32カ月目に再悪化を示した1例を除き,追跡期間中(平均45カ月,範囲6~101カ月)持続した.1例の再悪化の原因は硬膜切開部に形成されたくも膜嚢腫様腫瘤による脊髄圧迫であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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