icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻5号

2001年05月発行

文献概要

視座

整形外科理学療法とリハビリテーション

著者: 藤野圭司1

所属機関: 1藤野整形外科医院

ページ範囲:P.575 - P.576

文献購入ページに移動
 近年,整形外科領域でリハビリテーションと理学療法という言葉が混同して(あるいは同義語として)使われるようになり,その違いが曖昧となってきた.むしろ整形外科においては,本来の『理学療法』という言葉が消えつつあるように思える.その原因は,リハビリテーションという言葉が整形外科の中で充分に咀嚼されないまま安易に使われ過ぎるようになったためではないだろうか.日常の診療の中で,簡単に「リハビリをしましょう」などと言うが,その中の多くは単なる物理療法であったりする.
 1989(平成元)年までの診療報酬点数表では「理学療法料」という項目があり,その中に「運動療法」と「消炎鎮痛を目的とする理学療法」という項があった.ところが,1990(平成2)年には「消炎鎮痛を目的とする理学療法」が整形外科的処置となり,理学療法より外された.1992(平成4)年には「理学療法料」という項目がなくなり,「リハビリテーション料」となり,その中に「理学療法」が入り,さらに1996(平成8)年には理学診療科の標榜が廃止され,リハビリテーション科に統一された.これらの一連の流れは,整形外科医がリハビリテーションと理学療法の違いを明確にしないまま,放置してきたことと無縁ではなかったと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら