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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻5号

2001年05月発行

文献概要

論述

小皮切による手根管開放術に併用した小指伸筋腱による母指対立再建術の治療成績

著者: 中村敏夫巳1 中河庸治1 小野浩史1 水本茂1

所属機関: 1国保中央病院整形外科

ページ範囲:P.585 - P.590

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 抄録:先端の発光する小切開剪刀を用いた手根管開放術と同時に小指固有伸筋腱による母指対立再建を行った症例につき,その成績を調査した.対象は,手根管症候群に伴う母指対立不能例で小指固有伸筋腱移行を行った10人10手であり,術後ピンチ力,橈側および掌側外転角,母指と小指の関節可動域,Kapandji testを用いて機能評価した.術後ピンチ力は平均2.9kg,橈側,および掌側外転角は各々平均64°,77°,Kapandji testは平均8.9点であった.日本手の外科学会母指対立機能評価ではexcellent:6例,good:2例,fair:1例,poor:1例であった.母指対立再建の力源として小指固有伸筋を使用した場合,移行腱にプーリーが不要,腱移植が不要,筋力が充分であるなどの利点がある.小指固有伸筋腱移行術は手技が簡便であり,腱採取による機能欠損も少なく母指対立再建の一方法として有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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