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PET:positron emission tomography
著者: 内田研造1 馬場久敏1
所属機関: 1福井医科大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.644 - P.646
文献購入ページに移動Positron emission tomography(PET)は,ポジトロン(陽電子)放出核種を用いる新しい核医学検査法のひとつであり,全身の各臓器,組織の血流や代謝の変化が断層像として表わされ,さらにはその定量化が可能な検査法である.小型のサイクロトロンを用いて作り出せるポジトロン核種には炭素-11(11C),窒素-13(13N),酸素-15(15O),およびフッ素(18F)などがあり,検査目的に応じて種々の化合物に標識されてPET検査に用いられている.PETは,従来のガンマ線放出核種を用いるアイソトープ検査と比較すると,ポジトロン放出核種を用いるため,解像度と定量化に優れた画像が得られること,また使用するアイソトープが生体構成元素であるため,標的組織の代謝状態が観察できるという利点を有している.
1996(平成8)年4月より15O標識ガス剤によるPET検査が保険診療として認められ,現在,臨床研究として,脳組織心臓の虚血性疾患および血管障害,各臓器に発生する腫瘍および転移性腫瘍の検索に有用視されている検査法である.
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