文献詳細
文献概要
臨床経験
Larsen症候群に伴う頚椎後弯変形2例の治療経験
著者: 松岡孝志1 金澤淳則1 和田英路1 宮本紳平1 米延策雄1 吉川秀樹1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科
ページ範囲:P.653 - P.657
文献購入ページに移動症例1は男児で皿様顔貌,両股・両膝亜脱臼があり,Larsen症候群と診断されていた.生下時より頚椎の後弯変形があり,後弯増強とともに四肢麻痺の増悪,呼吸不全が出現した.入院時の後弯角は110°で,術前の直達牽引では後弯を矯正できなかった.側方進入による前方除圧固定術およびハローベスト装着を施行した.手術時年齢は2歳11カ月であった.術後の後弯角は70°に改善した.しかし,移植骨の脱転が生じたため,これを整復しLuque sublaminar wiring法による後方固定術を追加した.四肢麻痺は改善し,呼吸不全は消失した.術後8年の現在,後弯角は70°で後弯の進行は認めない.
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