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症例報告
下垂足を初発症状とした腰椎椎間板ヘルニアの1例
著者: 田中利弘1 佐藤隆弘1 田澤浩司1 望月充邦1 佐々木和広1
所属機関: 1市立函館病院整形外科
ページ範囲:P.659 - P.662
文献購入ページに移動症例は34歳,男性.朝起床時より左下垂足があるのに気がついた.左下肢に疼痛はなく,ごく軽度のしびれと知覚障害を認めた.筋力は左前𦙾骨筋,腓骨筋が[0],長母趾伸筋,長趾伸筋が[1]~[2-]と著明に低下していた.SLRは陰性であった.腓骨神経伝導速度は正常で,画像所見ではMRI,脊髄造影にてL4/5レベルで硬膜嚢を前方より圧排するヘルニアを認めた.手術はL4椎弓切除およびヘルニア切除術を行い,術後下垂足は回復した.本症例の如く下肢痛を全く認めず下垂足を初発症状とする症例の場合,従来いわれている腓骨神経麻痺だけでなく腰椎疾患も考慮すべきであると思われた.
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