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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻5号

2001年05月発行

文献概要

症例報告

頚椎脱臼骨折後遅発性に発生した椎骨動脈閉塞症の1例

著者: 柳橋寧1 斉田通則1 大矢卓1 飯田尚裕1

所属機関: 1釧路労災病院整形外科

ページ範囲:P.671 - P.674

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 抄録:第5頚椎脱臼骨折後に発生した椎骨動脈閉塞症が原因で死亡した1例を経験した.症例はC6髄節以下の完全麻痺で,C5/6椎間関節のinterlockingを伴う脱臼骨折に対し,一期的にまず後方から整復とC5-6棘突起wiring,次いで前方固定術を行った.術後2日目,一過性の意識消失発作があり,術後3日目,再度意識消失,呼吸停止となり,人工呼吸器管理を行うも術後17日目に死亡した.MRAで両側の椎骨動脈閉塞が確認された.頚椎損傷に続発する椎骨動脈損傷の合併頻度は低くはないが,無症状に経過し,その発生に気付かれない場合が多い.稀に重篤な症状で死亡する例が存在し,本症による症状発現をみた場合,速やかに対処する必要がある.診断には侵襲の少ないMRAが有用で,早期発見のために必須の検査と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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