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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻5号

2001年05月発行

文献概要

症例報告

肩関節直立脱臼の2例

著者: 柳浦敬子1 鍋島祐次1 安井慎二1 藤田郁夫1 藤井英夫1

所属機関: 1姫路聖マリア病院整形外科

ページ範囲:P.675 - P.678

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 抄録:稀な肩関節直立脱臼の2例を経験した.症例は63歳男性および68歳女性で2症例とも非常に類似した臨床像を呈していた.肩関節の外転強制にて発生し初診時,患側上肢は挙上位で固定されており,上腕骨頭は腋窩に触知された.疼痛とばね様抵抗のため上肢の下垂は不可能であった.神経血管損傷を疑わせる所見は認められなかった.X線像では上腕骨頭は関節窩下方に脱臼しており,大結節骨折を合併していた.全身麻酔下に徒手整復を施行したところ,脱臼は容易に整復された.
 肩関節直立脱臼は稀な外傷であり,その発生頻度は全肩関節脱臼のうち約0.5%とされている.肩関節に過外転力が加わった時に発生し,前方脱臼とは病態が異なる.整復にはtraction-counter traction法が用いられ,再脱臼は稀で合併損傷の予後も良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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