臨床整形外科36巻5号

2001年05月発行

症例報告

第4腰椎椎体内より発生したと思われる巨大神経鞘腫の1例

著者： 大槻周平¹ 金明博¹ 馬場一郎¹ 阿部宗昭¹

所属機関： ¹大阪医科大学整形外科

ページ範囲：P.685 - P.689

　抄録：極めて稀な腰椎椎体内より発生したと思われる神経鞘腫を経験したので報告した．患者は48歳，女性．主訴は右下腿外側部痛であった．単純X線像で第4腰椎椎体内の骨透亮像がみられ，CT，MRIでは椎体から連続して腹腔内と脊柱管内に巨大な腫瘍像を認めた．手術は二期的に行い，前・後方からの腫瘍切除と固定術を行った．腫瘍はゴム様の硬度を有し大きさは約9×11×8cmで，病理組織学的診断は神経鞘腫であった．