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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻6号

2001年06月発行

文献概要

シンポジウム 膝複合靭帯損傷の診断と治療

前および後十字靱帯複合損傷に対する靱帯再建術の成績―新鮮および陳旧例に対する治療方針

著者: 安田和則1 酒井俊彦2 青木喜満2

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科外科治療学講座生体医工学分野 2北海道大学大学院医学研究科機能再建医学講座運動器再建外科分野

ページ範囲:P.731 - P.739

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 要旨:前および後十字靱帯複合損傷22膝に対して屈筋腱ハイブリッド材料を用いた関節鏡視下再建術を行い,平均27カ月間経過観察した.新鮮例(7膝)は二期的に再建し,陳旧例(15膝)ではすべての靱帯の同時再建を行った.術後成績において伸展制限が認められた症例はなく,屈曲制限は全例で15度以下であり,12膝で正座可能であった.前後総合不安定性の健患側差は,新鮮例では術後1膝を除いて5mm以下であり,陳旧例では5mm以下が10膝,5~7mmが3膝,8mm以上が2膝であった.術後IKDC評価は,新鮮例で6例がB(ほぼ正常)1膝がC(やや異常)であり,陳旧例でBが10例,Cが3例,D(著明に異常)が2例であった.複合靱帯損傷に対するこの治療方針は,現時点ではほぼ妥当であると考えられた.しかしその成績は,ACLあるいはPCL単独再建術の成績と比較するといまだ満足できるものではなく,今後更なる研究と改良が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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