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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻6号

2001年06月発行

文献概要

論述

腰椎椎体間固定における椎体強度(骨密度BMD)と脊椎再建について

著者: 飯塚高弘1 原田憲正1 白鴻成1 小杉祐一1 森川健一郎1 水島秀幸1 岸本成人1

所属機関: 1市立堺病院整形外科

ページ範囲:P.741 - P.747

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 抄録:1998年6月から99年12月までの1年6カ月の間に当科でinstrumentationを用い腰椎椎体間固定術を施行した症例22例を対象に,骨癒合と術後のinstrumentによって生じる問題について,椎体骨密度(BMD)との関係を調査した.臨床症状は,JOA score術前12点が術後26点へと改善し,改善率は83%と良好な結果が得られた.X線評価では,22例中20例(91%)において良好な骨癒合(fusion in situ)が得られた.2例については,術後に,移植骨の圧潰が生じたが,骨癒合が得られた(collapsed fusion).また,臨床的には問題とはならなかったが,3例においては,pedicle screwのゆるみやscrewにより椎弓根の骨折を生じた.手術対象症例おける椎体骨密度は,年齢との間に相関関係は認められなかった(R2=0.001).男女の比較では,BMDは男性に比較して女性では有意に低く(p=0.0003),また,椎体別にみると上位腰椎は下位腰椎に比較して有意に骨密度は低下していた(p=0.0001).骨密度の低下した症例のうちBMDが0.8g/cm2以下の症例の約50%に,移植骨の圧潰やscrewによる椎弓根の骨折など何らかの問題が生じていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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