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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻6号

2001年06月発行

文献概要

最新基礎科学/知っておきたい

トランスジェニックマウス

著者: 妻木範行1

所属機関: 1大阪警察病院整形外科

ページ範囲:P.778 - P.780

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 トランスジェニックマウス(遺伝子導入マウス)とは外来遺伝子を組み込んだマウスのことである.受精卵の前核に遺伝子DNAの溶液を注入すると,受精卵の染色体に組み込まれ,その後の発生過程において細胞分裂が起こる度に,すべての体細胞にその染色体の一部として分配されていく.因みにノックアウトマウスは特定の遺伝子を全体細胞で不活化したマウスのことである.トランスジェニックマウスは,導入遺伝子がコードする蛋白の生体における機能を調べるための有用な手段である.例えば,がん遺伝子を導入されたトランスジェニックマウスにがんが発生し,成長ホルモン遺伝子を導入されたトランスジェニックマウスは過成長し,巨人症様変化を呈する.軟骨形成因子(cartilage-derived morphogenetic protein-1)遺伝子を導入したマウスは軟骨原基の増大とともに関節の癒合を来す.このような軟骨形成因子の機能は培養細胞では決して調べられず,個体まで発生させなければわからないことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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