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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻7号

2001年07月発行

文献概要

論述

遠位橈尺関節における変形性関節症―関節症の進行過程とX線進行度分類

著者: 井上貞宏1 工藤悟1

所属機関: 1三沢市立三沢病院整形外科

ページ範囲:P.829 - P.834

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 抄録:遠位橈尺関節(DRUJ)に変形性関節症(OA)を認める110例(男性67例,女性43例,平均年齢68歳)についてOAの発生,進行過程を検討し,X線所見をもとにしたOAの進行度分類を作成した.OAのX線所見では骨棘形成が最も多く認められ,次いで関節裂隙狭小化,骨硬化像の順であった.骨棘は尺骨頭の周囲と尺骨切痕の辺縁に形成されていた.OAの進行とともに尺骨手根骨間,肘関節のOAを高率に合併し,さらに,ulnar variance(UV)が増加していた.以上の結果より,DRUJのOAの要因にはUVの増加が重要ではあるが,肘関節や手関節の影響,解剖学的な素因,前腕回外・回内運動の影響なども重要であり,DRUJのOAは手関節尺側の変形性変化の一つとして進行することが考えられた.さらに,OAの進行過程では骨棘形成,関節裂隙狭小化,骨硬化像の所見が順に出現し,重複していくので,これらのX線所見に基づいてOAの進行度を分類することが可能であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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