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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻7号

2001年07月発行

文献概要

論述

股関節固定術に対する満足度の評価―10年以上経過例を対象として

著者: 稲尾茂則1 佐藤友合子1 松野丈夫1

所属機関: 1旭川医科大学整形外科

ページ範囲:P.835 - P.839

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 抄録:1989(平成元)年までに股関節固定術を行った10年以上経過例に対してアンケート調査による患者視点での評価を行った.症例は19例(女性15例,男性4例)で,手術時平均年齢は39歳(24~53歳),平均術後経過期間は16.3年(10.9~23.8年)であった.原疾患は先天性股関節脱臼が16例,その他が3例であった.固定肢位はほぼ良肢位であり,実用脚長差は固定側で平均2cmの短縮であった.当該股には全例疼痛はなかったが,支持脚は2例を除き非固定側であった.隣接関節痛の訴えは,腰部が14例,同側膝が8例,反対側膝が8例であった.日常生活上最も不自由を感じる動作は,靴下の着脱・爪切りであった.手術に対しては58%が満足と回答したが,当時と同じ状況で再度固定術を受けることに68%が消極的な回答であった.本手術の選択は,除痛効果に加え不自由度や隣接関節障害等に関して患者側と十分話し合った上で慎重に決定される必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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