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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻7号

2001年07月発行

文献概要

臨床経験

高齢者の歯突起骨折―その臨床像と治療成績について

著者: 松本守雄1 千葉一裕1 西澤隆1 中村雅也1 丸岩博文1 藤村祥一1 戸山芳昭1 渡辺公三2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2セコメディック病院整形外科

ページ範囲:P.881 - P.884

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 抄録:65歳以上の高齢者歯突起骨折13例(男9例,女5例,平均年齢74歳)の臨床像,治療成績について調査した.受傷原因は転倒・転落が多く,頚髄損傷を伴うものが4例(31%)であった.65歳未満の歯突起骨折62例と比較して,後方転位例が多かった.治療は保存療法が3例に,手術が10例に行われた.手術は歯突起螺子固定法が8例,後方鋼線固定法が2例であった.保存療法では3例中2例(いずれもAnderson type Ⅱ)が偽関節となった.歯突起螺子固定法では8例中7例(88%)で骨癒合が得られた.術後4カ月で1例が誤嚥性肺炎で死亡したが,残りは調査時生存していた.高齢者では長期臥床やhalo-vestによる固定が困難であることから,早期離床,骨癒合の獲得を目指して,歯突起螺子固定法を積極的に行うのがよいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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