icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻7号

2001年07月発行

文献概要

症例報告

仙骨に生じたinsufficiency fractureの2例

著者: 藤井隆太朗1 正富隆1 杉本瑞生1 冨士武史1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.885 - P.888

文献購入ページに移動
 抄録:仙骨のinsufficiency fractureの認識が欠如していたために診断に難渋した2症例を報告する.症例は86歳男性,67歳女性で,2症例とも主訴は遷延する腰仙部痛.骨シンチで仙骨に集積像を認めたため,骨髄炎や転移性骨腫瘍を疑った.症例1はCT,骨生検施行するも腫瘍性病変認めず,確定診断が得られなかった.症例2は,MRIで仙骨骨髄内にびまん性の輝度変化を呈し,CTでは仙骨前面に骨皮質の断裂を認め,確定診断に至った.症例2を経験した後,症例1を再検討したところCTで骨折線を認めた.仙骨のinsufficiency fractureは骨シンチでは特徴的なH型の集積像を呈するとされており,今回の2例ともH型の集積像を呈していた.仙骨のinsufficiency fractureの診断には骨シンチ,CTが有用であった.高齢者の腰仙骨部痛を診察する際には念頭において診察すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら