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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻8号

2001年08月発行

文献概要

論述

転移性胸椎腫瘍に対する後方除圧・固定術の手術成績

著者: 菅原修1 宮澤学1 白川久統1 高橋英也1 入江徹1 長谷川潤1 末松典明1

所属機関: 1北見赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.923 - P.927

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 抄録:転移性胸椎腫瘍に対する後方除圧・固定術の手術成績を検討した.1994年6月から1998年1月までの手術症例のうち既に死亡した11例を対象とした.原発巣は肺癌が4例,肝癌・前立腺癌が各2例,甲状腺癌・多発性骨髄腫・原発不明が1例であった.初診時より進行する麻痺を呈し緊急手術を余儀なくされる症例が多かった.術後11例中10例で疼痛の改善を認め,11例中8例でFrankel分類で1段階以上の麻痺の改善を認めた.しかし,徳橋の術前予後判定点数を用い,術後生存期間を検討すると,7点以上の5例では18.3±8.8カ月であったのに対し,6点以下の6例では4.0±1.4カ月と有意(P<0.01)に短かった.手術の目的は,除痛と神経麻痺の改善により,余命期間におけるQOLを向上させることにあるが,徳橋スコア6点以下の症例への適応は慎重であるべきであり,治療の目的や位置づけの十分な説明が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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