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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻8号

2001年08月発行

文献概要

論述

高度内反変形膝に対する人工膝関節置換術の治療成績

著者: 冨田文久12 青木喜満1 宮城登1 三浪明男1 安田和則3

所属機関: 1北海道大学整形外科 2現:市立釧路総合病院 3北海道大学生体医工学

ページ範囲:P.941 - P.947

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 抄録:Femoro-tibial angle(FTA)200°以上の高度内反変形膝に対して行われた人工膝関節置換術(TKA)の中長期治療成績を調査し検討した.症例は7例9膝で,内反膝の病態から骨欠損型と靱帯不全型の2つに分けられた.手術は内側軟部組織解離術のみを行い,内側側副靱帯はその𦙾骨付着部の約2/3を部分剥離し,後十字靱帯は原則的に温存した.骨移植は骨欠損型の全膝に行われた.調査時,膝外反不安定性はなかったが,靱帯不全型の1例2膝で軽度の内反不安定性が認められた.米国Knee SocietyのClinical rating systemでは平均Knee scoreは術前27点が調査時88点,平均Function scoreは術前30点が調査時39点に増加した.平均FTAは術前205°が調査時175.7°と改善し,移植骨はすべて生着した.X線学的に靱帯不全型の1膝のみに𦙾骨インプラントZone1に弛みを認めた.高度内反変形膝のTKAにおいては軟部組織解離により内反変形を十分に矯正し,病態に応じた適切な手術方法を選択することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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