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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻8号

2001年08月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

末梢神経のくびれ

著者: 田崎憲一1

所属機関: 1荻窪病院整形外科

ページ範囲:P.952 - P.954

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【はじめに】
 圧迫や外傷などの原因がない特発性末梢神経麻痺のなかに,手術時に神経束や神経幹に砂時計のくびれをみることがある(図1).この末梢神経の「くびれ」は,後骨間神経では安部1)(1966),Comtet(1975)以降,前骨間神経ではEnglert2)(1976),中川・矢部7)(1978)以降,手術症例の報告が散見されるが,単発神経炎(mononeuritis)や叢部神経炎neuralgic amyotrophyとの関係で最近特に注目されている.
 くびれは,肘近傍屈側で前骨間神経や後骨間神経にみられ,通常の神経絞扼部位(entrapment point)とは別な部位にみられる(図2).あたかも神経幹や神経束を捻ってくびれさせたようにみえ,1カ所のこともあれば2カ所以上のこともあり,複数の神経束に及ぶこともある4,5,6).このソーセージのつなぎ目のようなくびれが神経束に発生するメカニズムは,極めて不可解であり,いまだ意見の一致をみていない.また,神経炎による麻痺症例の中に長期にわたって改善しないものが存在し,神経炎においてはこのくびれが神経回復の予後と大いに関係があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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