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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻8号

2001年08月発行

文献概要

症例報告

両第1趾に著明なchisel toe変形を来した慢性関節リウマチの1例

著者: 新井隆三1 高橋忍1 琴浦良彦1 鈴木毅一1 石部達也1 嶋靖子1 青山隆1 秋山泰高1

所属機関: 1市立長浜病院整形外科

ページ範囲:P.975 - P.977

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 抄録:慢性関節リウマチ(RA)の第1趾変形のうち,IP関節が過伸展変形するものをJacobyらはchisel toe変形として区別している.両側に著しいchisel toe変形を来した症例を経験したので報告する.症例は69歳女性の重症RA患者である.右第1趾にはIP関節過伸展変形に対するIP関節固定術と,その後に発生したMP関節屈曲拘縮に対するMP関節固定術を別々に施行した.左第1趾にはIP関節過伸展変形とMP関節拘縮傾向に対してIP関節固定術とMP関節解離術を一期的に施行した.第1趾IP関節変形の機序として,前足部の荷重時疼痛を回避するために内在筋が緊張してMP関節の機能的拘縮を生じ,その結果歩行時のIP関節過伸展が強制された可能性が考えられた.治療に関しては,右第1趾でも左第1趾と同様に,MP関節解離術を一期的に施行していればMP関節屈曲拘縮をある程度予防できた可能性があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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