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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科36巻8号

2001年08月発行

文献概要

症例報告

先天性𦙾骨完全欠損症の1例とその解剖所見

著者: 兼子秀人1 柏木直也1 鈴木茂夫1 瀬戸洋一1 二見徹1 森本佳秀1

所属機関: 1滋賀県立小児保健医療センター整形外科

ページ範囲:P.979 - P.982

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 抄録:先天性𦙾骨完全欠損症に膝関節離断術を行い,離断肢の解剖所見を得ることができた.症例は初診時生後2カ月の男児である.1歳時まで経過観察を行ったが,𦙾骨近位の骨化や膝関節自動伸展はみられなかったため,温存術は困難と考え,膝関節離断術を施行した.術中所見では𦙾骨近位は存在せず,膝関節伸展機構は痕跡程度しか存在しなかった.離断肢の解剖所見では一部の筋腱は確認できなかった.足関節は平面状で,他動的可動性に乏しかった.本疾患に対する患肢温存術には膝関節,足関節共に問題点が多く指摘されており,温存術の際には術前に十分評価し,その欠点も考慮し,患者家族にも理解を得る必要がある.また,患肢温存術を選択した際に起こりうる多数回手術などの欠点が切離断術の欠点よりもよりも大きいと判断された場合には,切離断術を行った方がよいと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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