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運動器の細胞/知っておきたい
骨髄間質細胞―再生医療における新たなる治療戦略
著者: 越智健介1 今林英明1 戸山芳昭1 秦順一2 梅澤明弘1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.1034 - P.1036
文献購入ページに移動古くから,骨髄には血液細胞と「その他の細胞」が共存していることが知られていた.しかし医学の歴史の中であまりに長い間,骨髄は造血するためだけにあると考えられてきた。そのため「造血細胞以外の細胞」,つまり骨髄間質細胞(図1)が注目されることは少なかった.
20世紀後半に入り,血液細胞はヒト細胞を分子生物学的に解析する際の格好の対象と考えられるようになった.爆発的な分子生物学/血液学の発展の中で,骨髄間質細胞は造血細胞の分化・誘導を促進する役割を担っていることが判明し,造血細胞を支持する微小環境を形成するものとして主に知られるようになった.
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